14人が本棚に入れています
本棚に追加
コツコツコツ……
黒いコートに身を包んだ身長178㌢位の青年が歩いている。
その足音が寂びれた路地に反響している。
規則正しいそれは、時計の秒針のようでもある。
コツコツ……
青年の名は樹(イツキ)という。
路地は薄暗く、樹の足音以外の音は聞こえない。
コツ……
「今回の標的はこの辺だってアルさんは言ってたけど……俺はどうも気配を探るのが苦手だな。」
そこで樹が不意に立ち止まる。
コツコツコツ………
「なるほど。流石アルさんだ。」
そう言うと樹は振り返らずに後ろに右手から炎弾を放った。
最初のコメントを投稿しよう!