エピローグ

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コツコツコツ…… 黒いコートに身を包んだ身長178㌢位の青年が歩いている。 その足音が寂びれた路地に反響している。 規則正しいそれは、時計の秒針のようでもある。   コツコツ…… 青年の名は樹(イツキ)という。 路地は薄暗く、樹の足音以外の音は聞こえない。 コツ…… 「今回の標的はこの辺だってアルさんは言ってたけど……俺はどうも気配を探るのが苦手だな。」 そこで樹が不意に立ち止まる。 コツコツコツ……… 「なるほど。流石アルさんだ。」 そう言うと樹は振り返らずに後ろに右手から炎弾を放った。
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