エピローグ

3/12
前へ
/152ページ
次へ
ドサッ。 何かが倒れる音がした。 するとその音が引き金となったかのように、周りから異形のモノ達が現れる。 「ふぅ……アルさんも人が悪いな。」 数は30はあるだろうか。 大小様々の目が樹を見ている。 「全く、ここの修復は責任とんねーからな。」 そう言うと樹の足下から炎の円が広がっていく。 徐々に速度を増したそれは── 「───狭界炎上っ」 巨大な炎柱が周囲の建物ごと現れたモノ達を焼き払った。 辺りにパラパラと残骸が散る。 「んーこれで全部かな。」 樹は周りを確認しながらフードを脱いだ。 焦げ付いた壁面が火事の現場を彷彿させる。 目にかかりそうな黒い前髪が、まだ残っている熱風に揺らいでいる。 「でも、随分と成長したよな俺って……うんうん。前はこんなに一度に戦う羽目になったら、尻尾巻いて逃げてたトコだ。」 その目は遥か上空を見上げた───────
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加