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真っ白な空間だと思ったそこは大部屋だった。
聖堂だろうか。そんな装飾と空気が漂っていた。
視界に控えめな装飾の白銀のドレスを身に付けた女性が映った。
────綺麗な人だ。
それが樹の第一印象だった。
「どうも。」
まただ。
やっぱり心を詠んでいるのか?
「……あなたは?それにここは………」
「初めまして。上代樹君。私の名はアテナ・クリアといいます。」
「!?何で俺の名前を…」
「さっき言ったじゃないですか。心を詠んでいると……。」
アテナと名乗ったその女性は微笑みながら、優しく射ぬいてくるような眼差しでこちらを見ている。
「あなたにはまず最低限の事を知ってもらわなければなりませんね。」
そう言うとアテナは目を閉じ、静かにこちらに向かって手を突き出してきた。
「最低限の事って……?」
その時再び頭の中に直接響いてくる感じがした。
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