エピローグ

7/12
前へ
/152ページ
次へ
なんだ?わからないわからないわからない。 このヒトは何をイッテイルンダ? ワカラナイわからないワカラナイ。 胸に鈍い痛みが奔る。 自分の身体に異物感を覚え、その場にうずくまる。 刃の切っ先が胸を貫き、 心臓に触れ、 突き刺さる。 「くっっ……かぁっ……」身体は血で満たされ、 胸や口からとめどなく溢れ出る。 これは……そう、例えるなら─────死だ。 樹は確かに死んでいた。 呼吸が安定しない。 視界が歪む。 また頭に声が響いてくる。 ────あなたには私達“月下の巡礼者”の仲間になって欲しい。 この世界の秩序と安寧のために、共に戦って欲しい。 だけど今はまず休んで。 次、目覚めた時にまた話しをしましょう。 だから今は──── 樹の意識はそこで途切れた。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加