エピローグ

9/12
前へ
/152ページ
次へ
「よう、慎吾。お前も帰りか。」 「おぅ、樹。お前もかいな。」 こいつは八百万 慎吾(ヤオヨロズ シンゴ)。 いわゆる悪友であり親友なヤツだ。 「んじゃ、一緒に報告に行くか。」 「せやな。」 慎吾は短く応えると、こちらに背を向ける。 慎吾の説明を一言ですると、チャラ男だ。 金髪ツンツンの頭を全く裏切らないヤツなのである。 結界の間から広い通路にでて、大聖堂に足を向ける。 「樹お前、何体倒しよったん。」 「アルさんが10体位って言ってたから、そのつもりで行ったのに……30はいたよ…………」 「……ま、アルさんはな。しょうがない。」 「そっちはどうだったんだよ。」 「俺か?俺はでかいのが一匹って言われてて、実際は四匹で徒党くんでた……」 アルさんことアルゴットは組織の諜報課のリーダーである。 俺達は諜報課からの情報で各地に行くわけだが、そのアルさんは覚醒者のくせに毎度毎度俺達には偽情報を教えてくる。 そのせいで死にかけたことも一度ではない。 その度に文句を言うのだが、いつも─── 「ごめんごめん間違えちった。テヘッ★」 と、笑いながら言ってくるのだ。 だが、覚醒者であるアルさんに、そんな間違えがあるはずが無いことを俺達は知っている。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加