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沈黙。
さて、どうしたものか…。
目の前の佐野さんは、人間じゃないらしい。
だったら、何ですか？
…………さあ？
自問自答したところで分かる筈もなく、だからといって聞くつもりもなく、結局は沈黙に行きつく。
僕の思考を一瞬でも停止してくれたことには、感謝しよう。
その一瞬、僕の呟き病は発動しなかったのだから。
さて、僕は彼女に関わるつもりも無いのでこれで失礼――
「させません」
………しまった、口に出てたのか。
背を向けようとした訳だけど、させませんと言われて思わず立ち止まった。
こちらを睨み付ける佐野さん？阿野さん？まあ、いいか。どっちでも。
「佐野です！！佐野 竜胆！！しっかり覚えて下さい！！」
何か、キャラが違わないか？
どちらかというと気弱な感じのキャラだった気がするけど。
「怒ればキャラも変わるのです！！」
つまり、気弱キャラは作っているのだと。
「違います！！気弱キャラは元なのです！！怒れば理不尽キャラに変化でしっ」
……噛んだ？
「か、噛みました」
………ってか、僕の思考８割どころでなく９割くらい漏れてないか？
「漏れてます、だだ漏れですね！！」
爽快なほどに突っ込んでくれる。
呟きに突っ込んでくれるなんて…優しい人だ。
「え？そ、そうかな……」
頬を染め、照れる佐野さん。
さて、今の内に退散――
「させません！！」
ですよね。
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