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深々と溜め息を吐き出して、僕は首を傾げる。
「覚えた。佐野さん。それで、君…何がしたいの?」
「私の秘密を知られたからには、あなたは生かしておけません」
「…………理不尽だ」
勝手に自分からばらしておいて。なんて酷い。
理不尽だ。本当に理不尽だ。
生かしておけないって、僕は殺されるのか?
だったら――その正体まで聞いておこう。
「秘密って、君が人間じゃないってこと?」
「そうです。私が猫耳娘だってことです!!」
簡単に引っ掛かってくれる。
なるほど、猫耳娘…。
…………ん?猫娘ではなく、猫耳娘?
何で耳に限定?
「ちゃんと尻尾もあります」
だったら、猫娘でいいんじゃ?
「ひげがありません!!」
そこは重要なのか?
む、いけない。
呟きで会話してしまった。
油断したらこれだからいけない。
始業式サボって正解だな。……あ、サボって、って言っちゃった。
「あなたがサボリなのはとっくに分かってます!!だって、私はあなたを捜しにきたんだから」
「だったら、佐野さんは僕を連れて帰らないといけないわけだ?」
「その通り!!」
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