第七ノ巻*刃に名を載せ今返そう

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 トウリは初めてしっかりと握った刀を改めて見つめた。  鉛色の刀身の鎬地(しのぎじ)には、人間には解読する事が出来ない文字が敷き詰められている。それは鬼の名だと、生前父親が口にしていた。  この刀の中には多くの鬼の魂が眠っている。  そして、この中に今目の前に立っている鬼の名がある筈だ。  さあ、聞こう。 「我が名は芳園透理。鬼よ、お前の名は何だ」  全身に火傷を負った鬼はくつくつと低く笑い、長い指で顔を押さえた。すると、長い黒髪が何やら妖力によって金色に輝き始める。 「我が名……我が存在を縛る名は……そう、グウマ。我が名はグウマだッ」  トウリの後方に佇んでいたコガとエンジは視線を合わせ、いつでも動けるように如意棒と鉤爪を構えた。しかし、それを制すようにトウリの手が横に伸ばされる。  しとしとと降っていた雨は、止んだ。 「そうかい、グウマか。ならグウマ、お前は何故俺の命を欲する?」  桃花が吹雪のように吹き荒れる中、トウリは妖しく微笑み刀を肩に担ぐ。主が持つ見慣れぬ刀に刻まれた文字を見て、エンジとコガは知らず知らずのうちに息を呑んだ。 .

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