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そこには、無残にも水没した電話機があったのだ。
浴槽の中に電話機は沈められていた。
たえこの右目とこめかみが微妙に小刻みをする。
「イクラぁ! 電話機なんで浴槽に沈めてんの? あんたもいっしょに沈んでなさい!」
イクラの服もそのままに、たえこはイクラを浴槽へとつきおとす。
なかば溺れるかのようにイクラはもがき、水から這いあがろうとする。
それを、たえこは頭を押さえつけてむりやり水の中へと沈める。
「アーッ! ゴボゴボゴボ……」
イクラが悲鳴のような声をあげるが、水に沈められてしまって声にもならない気泡が水の中からゴボゴボと浮きあがった。
手はなにかを掴もうと空をきる。
しかし、それも虚しく浴槽のへりを掴むくらいでしかなかった。
しばらくして、ようやくたえこの怒りはおさまった。
それ以上やったらどうなるのかの分別をわきまえていたのである。
ずぶ濡れのイクラの服を脱がす。
オムツをはずすとイクラは大便を漏らしていた。
「クソガキ……、どうりで臭いと思ったら……」
水で濡れたオムツはずっしりと重い。
それをまるめると、脇へと放る。
たえこはシャワーを出した。
イクラの下半身を洗うためだ。
しかし、温水ではない。
冷水である。
「そら、自分であらいなさいよ!」
たえこはそう言うと冷水をイクラの下半身へとあてた。
浴槽に沈められて水を飲んでいたイクラはむせている。
が、たえこは容赦することなくイクラの下半身に冷水をあて続けた。
こびりついた大便が流れていく。
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