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そこで一旦話が止まる。
ウィンドウの方を見てみると、誰か来たみたいだ。
あれは…、見たことある人だ。
白髪で、眼が赤くて、釣り上がってる。
「……!」
あの人だ…。
俺を助けた、あの人だ。
小さい時に勝手に居住区を抜け出した俺は、探険に心踊らせていた。
その時だ。
突然咆哮が聞こえて、黒いヴァジュラが俺を見てたんだ。
___死んだ。
一目でわかった。
あれは逃げきれないって。
ゆっくりと俺に歩み寄る黒いヴァジュラに、弾丸がぶつかる。
紫の球体が黒いヴァジュラの顔にくっついていた。
ヴァジュラが撃ったあの人に飛びかかろうとした瞬間に、球体が爆ぜた。
ひるんだ隙に、次々と斬撃を浴びせる姿に、俺は憧れを抱いたんだ。
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