難易度1 その一:悪鬼の尾

4/15
前へ
/418ページ
次へ
そこで一旦話が止まる。 ウィンドウの方を見てみると、誰か来たみたいだ。 あれは…、見たことある人だ。 白髪で、眼が赤くて、釣り上がってる。 「……!」 あの人だ…。 俺を助けた、あの人だ。 小さい時に勝手に居住区を抜け出した俺は、探険に心踊らせていた。 その時だ。 突然咆哮が聞こえて、黒いヴァジュラが俺を見てたんだ。 ___死んだ。 一目でわかった。 あれは逃げきれないって。 ゆっくりと俺に歩み寄る黒いヴァジュラに、弾丸がぶつかる。 紫の球体が黒いヴァジュラの顔にくっついていた。 ヴァジュラが撃ったあの人に飛びかかろうとした瞬間に、球体が爆ぜた。 ひるんだ隙に、次々と斬撃を浴びせる姿に、俺は憧れを抱いたんだ。
/418ページ

最初のコメントを投稿しよう!

347人が本棚に入れています
本棚に追加