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アリサは少しも考えずに言った。
「話してくれるのを待ちます。
じゃないと、ただでさえミッションで頭割られそうなのに、狙われる事になりますから」
コウタは、うへぇ、と想像してげんなりした。
ソーマは自室に戻るために区画移動用のエレベータに乗り込んだ。
扉がしまって、すぐにソーマの姿が見えなくなる。
取り残された二人はラボの扉を開いた。
「ん?、どうしたんだい、君達」
「今回の件について知りたくて」
コウタが自重せずに尋ねる。
「今回の件について…ねぇ。君達にはヨハンの件もある。信用してない訳じゃ無いが、今は少し待って欲しい。
事がわかりしだい、随時連絡しよう」
二人は顔を見合わせて、アリサが口を開いた。
「また、アーク見たいな事には、なりませんよね」
ペイラーは少し間を置いてから、言った
「すまない、断言は出来ない。
ヨハンがいなくても誰かがやる可能性もある」
「…そう、ですか」
肩を落として、アリサは踵を返す。それにコウタも続いた。
二人が居なくなった所で、ポツリと、呟いた。
「ヨハン…、君が残した傷痕は、深く、大きいよ」
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