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贖罪の街
どんなもんかと思ったら、目の前に広がるのはただただ、悲惨な景色だった。
至る所に荒神に喰われた穴があき、建物は無惨な姿を残している。
どいつもこいつも、荒神のせいだ。
隣の少尉は、先程見せてくれた柔和な笑顔とは全く違う顔をしていた。
ミッションの時と、オフの時で大分性格が変わるらしい。
手にはアサルトが持たれている。名前はわからないが、結構良いものっぽい。
今回は俺が前衛で踏ん張る。
少尉は俺が怪我しないように後衛でぶっぱしてくれるらしい。
突然、少尉が壁に隠れた、俺も慌てて隠れる。
覗き込むと、オウガテイルが、壁を喰っていた。
え、壁喰うの?
少尉が合図を出す。
1…、2…、………………3!!
俺と少尉が同時に飛び出す。
少尉があの時の弾丸(トルクボウって言うんだってさ)を撃ち込む。
それによって俺たちに気づいたオウガテイルが咆哮を上げる間も無く、爆発で斜めに傾いだ。
その隙に、一気に距離を詰めた。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
横に一閃。
胴体に一本の線が刻まれる。
やった…!
ギョロ…
「ッ!!」
ギィン!!
生きてた……!
咄嗟に装甲で尻尾による攻撃を防ぐ。
地面を脚が滑った。
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