蝉の少女 (8月25日)

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この蝉がさっきの光源なんだろうか……? いや、蝉が光るなんて、いくらなんでもあり得ないだろう。 しゃがみこんで詳しく見てみるが、特に変わった所はない。 「気のせい、かな」 僕は抱いていた淡い期待を軽く裏切られたような気分で、その場をあとにすることにした。 時間は進み、その日の夜。 夕食を終えた僕は、ソファーに座ってテレビを見ていた。 ふとテーブルに置いた携帯に目をやると 「あれ……無くなってる」 携帯に付けてあったストラップが、無くなっていた。具体的には、ストラップを繋ぐヒモが中ほどで千切れてしまっていた。 あのストラップ、去年母さんにもらったお気に入りだったのに…… いつ落としたんだろう? 今日は外出といえば、薬局くらいしか行っていない。 落とすとすればその道中だろう。 「行くだけ行ってみるか――――」 見つかればいいなぁ、と軽い気持ちで、僕は夜の帳へと繰り出したのだった。
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