プロローグ

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わが校のテラスは、四角い校舎の真ん中を四角くくり取った造りだ。 なんちゃらとかいう建築家のデザインらしくなかなか洒落ている。 ガラス張りで囲まれた広いテラスにはもうすぐ昼休みが終わるので人はあまりいない。 朱里ベンチに腰かけたまま空を見上げた。 (眩しい…。) 見上げた空は四角い。 (当たり前だし…) 1人で笑ってると涙が出てきた。 両親に置いていかれたからなのか、太陽が眩しいからなのか、自分の思ったことがくだらなすぎたからなのか分からなかった。 これからも1人で泣いたり、ご飯を食べたりするのかと思うと、もっと溢れた。 .
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