転機

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そして、あまり代わり映えのしない毎日が続き、私はあっという間に中学二年生になった。 このまま、あまり代わり映えがしない日々を送るのも悪くないと思っていた。 そんなある日の事。 私は雑誌を学校に持ってきていた。 その雑誌にクロスワードパズルが載っていて、皆で解いていた。 皆で悩んでいる時に後ろから、 「何、やってんの?」 と誰かが声をかけた。 井上俊輔(いのうえしゅんすけ)だった。 井上は田崎の友達で、いつも田崎と楽しそうに話していた。 本当の事を言うなら、井上がいる間は田崎が怒鳴らない。 私達は、ある意味やりたい放題だったりした。 井上の姿を部室で見る度にホッとしたのは私だけでは無いと思う。 「あっ、これクロスワードパズルが解けなくて…。」 と私は正直に言ってしまった。 その瞬間、周りの皆の表情が引きつった。 『ヤバイ…田崎先輩に言われたら怒られる!』 と気付いた時には、すでに遅かった。 何で言っちゃうの?と言いたげな部員達の視線が痛かった。
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