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「はっちゃん、早くしないと田崎先輩、帰っちゃうよ!」
「うーん。」
「このままで良いの?」
「うーん。」
「今度いつ会えるか分からないんだよ!
下手したら、もう会わないかもしれないんだよ!」
「そんな、大袈裟な話……。」
「大袈裟じゃないよ。
二歳上の先輩が卒業して、再会した?」
「してない。」
「でしょ!
田崎先輩とも、そうなるかもしれないじゃない。」
「じゃあ、さっちゃんは井上先輩を……。」
「私はいいのよ。
井上先輩は私を好きじゃないから。」
「そんなの分からないでしょ!」
「分かるの!」
幸子は涙目になっていた。
私は、これ以上は幸子に井上の話を出来ないと思った。
私の知らない所で何かがあったのだと思う。
「ねぇ、はっちゃん……。」
「んっ?」
「私の分も頑張って来てよ。
後悔しないように!」
後悔かぁ。
もし私は二度と田崎と会えなかったら後悔するのかな?
二度と会えないか……。
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