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田崎が、その女子の隣に立つと、その女子は私の方を見て、ニヤリと笑って、
「ユウ、行こっ!」
と言って、田崎と手をつないだ。
彼女…なの?
私は、その場に座り込んでしまった。
田崎に彼女がいても、おかしくない事は分かってるよ。
だけどさ、何であの人なの?
それより、何で私……こんなにショックなの?
仲良さそうに学校を去る二人を見送るのは辛かった。
だけど、目を反らせなかったんだ。
どうしてか……自分でも分からない。
二人の姿が見えなくなると、フラフラしながら、私は立ち上がった。
スカートを見たら、汚れていたけど、そのままにした。
いや……何もする気になれなかった。
そのままフラフラと部室に向かって歩き始めた。
何だろう……私は失恋したのかな?
私の気持ちは田崎に届かなかったのかな?
でも好意が無かったら、ボタンをくれ!なんて言わないよね。
だから少しは気持ちが伝わったのかもしれない。
告白をしたわけでは無いけど、精一杯頑張ったつもりなのに……。
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