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部室に着くと、博美が血相を変えて、私の所にきた。
「ちょっと……何で、そんな制服汚れてんのよ!
どうした?!」
博美はそう言うと、私の制服の汚れた部分をはたいてくれた。
幸子はそれを呆然と見ていた。
「はっちゃん、ダメだったの?」
と幸子が呟く。
私は首を縦に振った。
もう何も言えない。
何があったかを今すぐ話せるのなら、ラクかもしれない。
でも泣きそうだから。
涙が一度出たら、止められない気がしたから。
私は落ち着くまで、何も言わないと決めた。
博美も幸子も詳しく聞こうとしなかった。
二人の優しさなのかな?
きっと私は絶望的な表情をしてたのだと思う。
すぐに顔に出てしまうから、田崎も気付いたのかもしれない。
それから田崎とは音沙汰も無いわけで。
私は中途半端に思いを伝えたような、伝えてないような。
でも後悔はしていない。
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