プロローグ

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私は暗闇の中にいた。 いつか光が差す事を夢見ながら。 毎日のように私に刺さる声。 ブス! 気持ち悪い! 汚い! 貧乏人! 汚くて気持ち悪いなら、私に触れなきゃいい。 汚くて気持ち悪いモノに触るヤツの神経を疑う。 言葉を沢山浴びせて…。 そして、泣かなければ、私を叩く。 泣けばいいんでしょ! 泣いたら、やめるんでしょ! じゃあ泣いてやる! 人に汚い言葉を浴びせるヤツの心が汚いんだ。 人が泣くのを指差して笑う。 そんなヤツの笑顔が気持ち悪いんだ。 お前らの心はブス! お前らの心は貧乏だ! 心の中で、そう叫んだ。 ヤツらに届かない声だけど。 誰にも負けない大声で、心の中で叫ぶんだ。 早く私はここから抜け出したい。 私をあと数年先の世界へ連れてって欲しい。 右も左も分かる場所にはいたくない。 ねぇ…私はいつ、ここから抜け出せるの? 私は一生こんなもんなの? この学校には頼れる人がいない…。 この学校のヤツは信じたくない…。
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