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私はすぐに博美や幸子と打ち解けて、博美を『ひろちゃん』幸子を『さっちゃん』と呼ぶようになっていた。
「何か葉月さんって言いにくいよね。」
「確かに…。」
「葉月だから…はっちゃんにしようか?」
博美と幸子が2人で私のニックネームを『はっちゃん』にしてくれた。
こういうニックネームは初めて。
いっつも変なニックネームしか付けられなかったから。
私の部活生活は、こんな感じで幕を開けた。
毎日毎日放課後になると同じ場所に皆が集まった。
パソコンの台数が少ない分、暇を持て余す部員も多く、暇だから他愛の無い話に花を咲かせたりしていた気がする。
ただ、あまりにも話に夢中になって爆笑していると、
「うるさい!」
という田崎の怒鳴り声が聞こえる。
あんたが一番うるさい…そう思っても言えない。
私達は怒鳴られる度にヒソヒソと話していた。
そんなヒソヒソ話も長続きしなくて、また怒られるというパターン。
でも田崎みたいに一台のパソコンをひとり占めしてる奴になんて分からないのかも。
一台を数人で使う私達の気持ちなんて。
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