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ウウウウーっ
けたたましく鳴り響く
サイレンの音。
パトカーが3台
こちらの方を
走り回っている。
今回の犯人を
探すために。
「こっちに3台いるけど、
そっちにも何台か
いるの?」
ブロンドの髪を
軽く指で梳きながら
私は電話越しに
問いかける。
「こっちはざっと
2台だな。
ま、おおかた
現場検証に人手が
回ってるってのが
大きいんじゃねぇか。」
電話から聞こえる
大人の割には少し
高めの声は
特に気にした様子もなく
そう言った。
「ま、さっさと
戻ろうぜ。
じいやが待ってる。」
よいしょ、という
声が聞こえたあたりからして
立ち上がったのだろう。
「そうね、
私も戻り始めるわ。
あとでね。」
そう言って
私は電話を切り、
ストールを羽織り、
夜の街を歩き出した。
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