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月明かりに照らされた大広間には、紅茶の香りだけが、静寂をかき消していた。
「私でよろしければ、力になりますが・・」
「平気よ。下らないことを考えていただけだから」
私は、淡々と咲夜に言った。
「そうですか?・・・ところで、今日の紅茶はいかがですか?」
咲夜は、一瞬、落ち込んだようにみえたが気のせいだろうか
「悪くないわ、ちょっと熱いけど・・」
「申し訳ありません。すぐに、淹れなおします」
「いいわ、夜は永いから・・・」
不思議と笑みがこぼれていた。
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