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初めは、そのコメントに苛立った。
しかし、返信しようとすると、どうしても挑発するような言葉が見つからない。
彼は、正しい事を言っているのだと、心のどこかで気付いていた。
でも、それでは気がおさまらない私。
『そんなの分かってます。
簡単にできないから困ってるんじゃないですか。』
愛想ない文にすることが精一杯の反抗。
しかし、彼は意に介さず返信してきた。
『じゃあ、ただ時が過ぎるのを待つの?
どうせ後悔するだけですよ。』
私は、ケータイを閉じた。
すると、私は現実に戻ってきたかのように、さっきの怒りすら失せ、抜け殻のように動かなくなった。
何もしたくない。
食欲がない。
眠気がこない。
何も考えたくない。
結局、私の視線はケータイに向けられていた。
いくら待っても、来るはずのない。
私が、今会いたい人からの着信。
私は、慰めてほしかったのだろうか。
「もしもし、マナミ?ちょっといい?」
マナミは、優しく私の話を聞いてくれた。
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