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「覚えてるかな?
好きだって言ってくれて、何でっていう私の困った返しに、お前といると安心するからって言ってくれたの。
フッてやるつもりだったんだよ?なのに、恥ずかしそうに笑って話すの見てたら、付き合ってみようかな?って思って、気づいたらいつも横にいて、いつだって優しくて、どんな時も私の味方で、初めと何も変わらなくて……まぁ、結局私がフラれちゃったね」
彼は何も言わなかった。
でも、聞いてくれているって思った。
あの人は、私が愛した優しい人だから。
「好きだよ。
こんな気持ちにしてくれて、ありがと。
さよなら」
「サユ!……ありがと」
そして、彼との糸は途切れ、無機質な機械音が鳴った。
「バカ……バカでしょ。
なんで、なんで最後まで優しいのよ。何も言わないでよ……」
せっかく、泣かないで、作り物でも明るい声でさよならしたのに。
何で、好きなままの貴方なの?
私は、親友の胸で泣いた。
マナミは何も言わないでくれた。
結局、あの人の言う通りだった。
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