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『ひとつ質問いいですか?
どうしたら、うまくさよなら言えますか?』
一時間考えて、答えを見つけられなかった私は、答えを求める気はなく、独り言に近い気持ちで、昨日の太陽に問いかけた。
『彼との楽しい日々を思い出す。
その時を過ごさせてくれた彼に、ありがとうを言うつもりで、さよならしたら?』
ありがとうの気持ちで。
彼は、中学生ではない。
中年?
それとも、おじいちゃん?
それとも……。
『あの、失礼ですが、ユウくんじゃないですよね?』
『違います。』
『じゃあ、私の知り合いですか?』
『いえ、あなたとこうしている以外に、会って話したことはないです。』
『なら、何で私の事を知っている感じがするんでしょうか?』
『何か質問がどんどん増えてますよ。』
『そうですよね。すみません。
私、さよならしてきます。ありがとうございました。』
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