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「ゆきっち…会長…あいにゃん…一体そんなとこでなにやってるの?」
3人がかりで綾瀬の身動きを封じ込めていると、その後ろから訝しげな視線と呆れたような声が聞こえてきた。
「委員長おはよ」
「花崎さんおはよう」
「委員長おはー」
「おはよ3人とも─────で、何してるの?」
『……………………』
綾瀬の足を緋音さんが縛り、藍羅が右腕を固め、俺が背中の上から口を押さえたまま無言の時間が流れる。
「まぁ何をしてるかは後で聞くとして、ゆきっち…そろそろ解放しないと不味いんじゃないかな? リョウヤン、息してないよ?」
「…あ……」
ふと見ると、綾瀬が笑顔のまま固まっていた。
こ、怖い………っ!
「全く…朝から元気だねぇ、君たち」
「あれ? 委員長は元気ないのか?」
「いや元気は元気なんだけど眠くてさぁ…ふぁぁ」
「珍しいな、委員長が欠伸なんて」
「昨日からあんまし寝てないんだよー…宿題終わってなかったから徹夜してたのさ…」
「でも徹夜明けにしては隈もできないし元気そうだけどな」
「あ、これはファンデーションで隠してるだけ。洗ったらスゴいことになってるよー。見るかい?」
「いや、遠慮しとく…」
俺はニヤニヤと笑うこの少女を傍目に、綾瀬を担ぎ上げる。
綾瀬…お前の死は無駄にしないからな…。
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