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「いやー、今日は登校時間がずれてくれて助かったよ~。でないと死んでたね、私。うん」
「オーイ委員長。誰と話してるんだー」
「心の中の私」
「わぁお、それどこの遊戯くんですか」
「まぁ、そんなことはひとまず置いといて。このままだと遅刻するよ?」
「え、だって今日は登校時間がずれてるんじゃ…」
「いや、私家出たの結構ギリギリだったから。そろそろレッドゾーンかなぁ、と」
『………………………』
しばらくの無言の間。
……………。
「やべぇよ急げーっ!」
「私まだ死にたくないよユッキーっ!」
「先に行くわよみんな」
遅刻なんてしてたまるかっ! こっちは登校に命かけてるんじゃーっ!!
俺たちは再び全力で学校へ向かって疾走する。
くそっ、朝から走るなんて何て拷問だ。
朝から走るのは朝練の奴らだけでいいのによ。
「にゃははははっ。今日も愉快だねーみんなー」
「花崎さん、僕たちも急いだ方がよろしいのでは…」
「おっ、それもそうだねー。じゃ行っくよーリョウヤン!」
俺たちが走り出して数秒後、いつの間にか二人も俺たちの真横を並走していた。
「ねぇみんな」
「なんだ」
「学校まで競走しない?」
「競走?」
「そ。負けたら全員にお昼の飲み物を奢らされるっていう賭けつきで」
『乗った!』
「よしじゃぁ、よーい───」
『──どんっ!!』
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