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○ ○
「───それで? 結局誰がビリだったわけ?」
『こいつだっ!』
教室の真ん中で俺たちは一斉にバラバラな方向に指を指す。
「って、ユッキー微妙に負けてたじゃん!」
「いいや待て、委員長の方が一歩遅かった!」
「あ! それはないんじゃないかな! ならあいにゃんはどうなるのさ! 胸の差で絶対私の方が早かった!」
「委員長! 『胸の差で』ってなに! 負けたからって人に当たるのはよくないと思うよ!」
「負けてないやい! ゆきっちはどうなのさっ! 少し遅くなかった!?」
「どう見ても俺が一番だったじゃねぇか!」
「いいや私が一番だったよ!」
「私に決まってるさ!」
「俺だ───」
バンッ!! メキッ。
「あんたたち…騒ぐなら余所でやってくれない?」
『………すいません』
「それで? 結果はどうなったの?」
『こいつがビリですっ!』
ズガッ!
教室の真ん中にクレーターが出来上がっていく。
『…すいません。全員ビリでいいです…』
「そ。ならお昼の飲み物よろしくね」
『……はい』
俺たちはその場に正座させられたまま、自分の席に戻っていく白金のポニーテール姿を見つめていた。
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