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「よぅし、それじゃぁちょっくら私はみーぽんを捕獲してくるっさ!」
「あ、ちょっ委員長!? もうすぐ予鈴なっちゃ…う…よ。って行っちゃった。どうしよユッキー」
「いや、俺に聞かれても…」
俺たちは疾風のごとく走り去っていった委員長の姿を呆然と見送っていた。
そしてその四十秒後。
「花崎木葉っ、ただいま戻りましたぁーっ!」
「みゃっ、離せあほっ。あたしはまだお茶飲んでないのっ!」
委員長は少女を抱きながら教室に戻って───
『って早っ!?』
あるぇー? さっき出ていったばっかなのに何で戻ってきてんのー?
「ふふーん。この木葉様をなめちゃいかんぜよー?」
委員長…何者なんだ…。
「で、木葉。ホントに連れてきちゃったんだ…そいつ」
飛鳥が委員長に抱かれた少女を流し目で見ながら言った。
「いやー、一日一回はこうしないと落ち着かないんだよねー」
「落ち着かなくていいっ。いいから離せー!」
ジタバタと委員長の胸の前で暴れるこの少女は仲里雅。
大企業の社長令嬢で、この学園を経営している理事長の娘というお金持ちの家で育っている。
人を見下して話す残念な性格と、打たれ弱い残念な根性を兼ね備えたとても残念な子だ。
しかしそれがツボなのか一部では『雅様を支える会』という残念な集まりができているのも事実。
この学園は本当に大丈夫なんだろうか…。
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