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「離さんかボケーッ!」
「おわっ!?」
思いっきり憤慨した雅に気圧されたのか委員長は抱き締めていた腕を緩めた。
そしてそれを活かして雅はするりと委員長の抱擁から抜け出す。
「あうち。逃げられちったよ。やはは」
少し名残惜しいのか委員長は苦笑いを浮かべながら自分の腕を抱いていた。
「全く…お前はあたしを何だと思ってる…」
「かわいい猫さん?」
「みきゃ────っ!!」
「にゃはははは。悔しかったらこっちまでおいでー」
「待て花崎木葉っ! 逃げんな─────っ!!」
雅は陽気に逃げ出した委員長を追いかけるため、あっという間にいなくなってしまった。
今日も騒がしい二人だなぁ。
「ねぇ幸人」
「ん? どうした飛鳥」
「ずっと気になってたんだけど────」
飛鳥はなぜかジト目で俺の膝の上を見ていた。
「──何で梨沙があんたの膝の上にいるのよ」
『へ……………?』
この場にいる俺、瀬山、藍羅の視線が俺の膝の上に集中した。
「…やっと気がついた…」
「梨沙ちゃん!? いつからそこに!?」
「…木葉が出ていったとこから…」
『……………………』
なんか膝が重いなぁとか思ってたら、なるほどそういうわけか。
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