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「あんなジジイ、死ねばいいのに」
ネロはドアをぶち破った後、全力で町まで走りました。
この場所は隣町との境目となる橋の上。
もうネロには、あの家に帰るという考えはありませんでした。
「一人で生きてやる!何をしてでも、たとえ体を売ってでも!」
タチの悪い決心をしているようです。やめときなさい。
ネロは拳を握り締めて決意を固めると、ポシェットからパトラッシュの形見(干し肉)を取り出すと、徐に振り上げました。
「君ともサヨナラだ。パトラッシュ、君は僕の心の中でずっと生き続けるから!」
そう言うと、ネロは肉を川に投げ捨てました。
「ぶるぅぁ!!」
肉片が誰かに当たってしまったようです。
その誰かは水浴びを止め、ずかずかとネロの方に歩いて来ます。
誰かは肩を怒らせ風を切り、悠然とした態度でネロの前に佇みました。
ネロは圧倒されていました。見たこともない人間。黄色っぽい肌に見慣れない服装、妙なカーブをしている剣。その全てが恐ろしく思えたのです。
「この肉を投げたのぅはぁ、貴様かぁ!?」
何語なのでしょうか、ネロには検討もつきません。ネロに解るのは、彼が怒っていることだけでした。
「この儂をぉぅ!第六天んん魔王、織田ぁ信長ぁと知っての狼藉か!」
怒鳴られ、詰め寄られ。ネロには頭を振ることしかできませんでした。
何故こんなのがここにいるのか。何故若本ボイスなのか。そもそも時代が違うとか国が違うとか。ネロは自分の知らない知識が頭に流れながら混乱していました。ニッチ過ぎです。
「潔く白状したのぅはぁ認めてやろう。
情けであるぅぅ!一瞬で手打ちにしてくるぅれようぞぅぉ」
言うが早いか、信長公は右手に持った刀を両手で持ち、ネロの首を胴体と切り離しました。
「人天五十年、下天の内ぅをくらぶるれぶわぁ……」
ネロが最後に見た景色は、変な格好の男が、歌いながらネロの胴体に火を着けている様子でした。
……BAD END.
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