フランダースの犬・閉幕

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フランダースの犬・閉幕

ネロは、もういないパトラッシュの事だけを思い、ベッドに潜り込みました。 少年には、もう何の気力も残されていませんでした。 少年は、飼い犬の事を頭に浮かべながら枕を濡らしました。 いつしか、ネロの目蓋は閉じようとしていました。 そこで、彼は気がつきました。いつも寝る時とは違うような。打ちひしがれて、諦めて。 あの教会のルーベンスの絵の下で、パトラッシュと一緒に眠りについた事があるのを思い出したのです。 ですが、記憶にはあるけど、ネロ自身はまだ教会に入ったことはありません。 何故だろう。 何だろう。 考えても答えはでません。 思考は眠りの波に消え、ネロは眠りへと誘われたのでした。
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