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二人を乗せるタクシーが暗闇に消えて行くのをただただ茫然と見つめる晴子。
( …………どうして?
どうしてどうしてどうして!?
私より他の女なの――!? )
フツフツと怒りが燃え上がり、無意識にスカートの裾を握りしめた。
「誰にも――…譲らない」
晴子は自宅に着くなり靴を脱ぎ飛ばすと、バサバサと本棚を漁り始める。
「あった……」
本棚の奥から取り出したのは数年前に購入した、一冊の古びた本。
中には黒魔術などが記載されている、オカルトチックな書物だった。
晴子は昔、こういうオカルト的な物にハマッていたらしい。
頁をパラパラとめくりながら、目的のモノを探す。
「……これだわ」
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