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「そんな責任かんじるなよ…!泣くな姉ちゃん!役立たずは俺だよ、肝心な時にその場に居られなくて…その、ごめん」
「尚…。」
普段の尚からして謝るなんて姿は想像がつかなかった
正直に言ってビックリした
でも今はそんなこと関係無い
先を考えなきゃ
「でもどうしよっか。家も無いしお母さんもお父さんも居ないし
私が高校やめてバイトするから家借りようか?」
高校…やめたくないけど
我が儘言ってられない
尚には高校卒業して貰いたいから…私は頑張ろう
「高校やめるって…なにいってんだよ!他にもっといい解決策があるはずだ!」
「ないよっ!それに学生二人をいきなり養っていける知り合いだって居ないもの!!」
次第に私と尚は声を荒らげて喧嘩していた
間に挟まれている天童さんはずっと携帯を弄っていた
そして私達姉弟の話を遮って
「二人とも安心して下さい。
今話がつきました
私の通ってる学園の理事長…
貴方達のご親戚に連絡した所
貴方達二人を学園に入学させたい、と言われました
ちなみに全寮制で授業料など諸々免除だそうです」
天童さんは神の救いかと思うほど素晴らしく出来た話を持ち出した
「ほ、本当ですかっ!!?
そちらが良ければ是非っ!!」
私達は顔を見合わせて安堵した
この時は神の救いだとすら思えたこの話
今思えば悪魔の囁きにしか聞こえない上手い話に乗せられた自分に嫌悪する
天童 司…
貴方に惹かれるものがあったのは私の勘違いだったの…?
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