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「ギルドとの戦闘は御法度である事はわかっているな?黒騎士」
普段は呼ばれない2つ名で呼ばれた。
結構、ご立腹の様だ。
まぁでも、言い訳くらいは聞いてもらえるかな?
「まさか舘を出た途端に天穹の弓の“雷炎帝”に襲われるなんて思ってもなかったんだ。
雷炎帝相手に最低限の戦闘で引き分けて還ってきただけで行幸だろ?普通」
雷炎帝。
雷と炎の2属性(ダブルアトリビュート)を扱う天空の弓のエースである。
常に仮面を着けており、年齢、性別不明で正体が一切わからない謎のSSランカーだ。
断罪の騎士団の様な国に追われる犯罪組織では、顔を隠すために仮面を着けて仕事をする者は少なくない。
オレも黒い仮面を着けて仕事をしているし。
でも、国家公認であるギルドで仮面をつけている者は珍しい。
「だが規則は規則だ。罰則は受けてもらう」
セシ姉は冷たく言い放つ。
「ハァ・・・」
思わず溜め息がでた。
それもそうだ。
仕事終わりにいきなり襲われて、極力戦闘を避けるために防御と退避に主をおいて戦い、命からがら引き分けに持ち込んだ結果、結局は罰則なのだから。
どうせなら全力で叩き潰せばよかったな。雷炎帝。
まぁ、一筋縄でいくような相手ではないが。
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