学園への侵入者

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納刀された鞘から手を放し、シャムは不服そうに呟いた。 「もういい。やる気、削がれた。勝負は、お預け」 ちっ、もう少しカタナを鑑賞していたかったのだが・・・ まぁ、シャムとやり合わなくて済むなら、それはそれで良しとしよう。 できれば、一生預けておきたい勝負だ。 「で、これからどうする?」 さっきのシャムの言葉をそのまま返してやると、シャムは小さく首を傾げた。 「どうするって?」 さっきのオレと同じような反応をするシャムに対し、今一度大きくため息をつく。 「はぁ・・・お前、転移魔術なんて使えないだろう?」 「使えない。戦闘に必要のない魔術は、キャパシティの無駄」 オレが言えた事じゃないが、コイツは本当に戦う以外に能がない。 当然、料理もできなければ、戦闘系以外の魔術も全然できない。 戦いに不必要なものは全て切り捨てて生きている。 そんな奴なんだ・・・ 「だったらどうやってアイリアスに戻るつもりなんだよ・・・」 オレの技量じゃ転移魔術でアイリアスまで人ひとりを飛ばすなんて到底不可能だし、そもそも、どこを飛んでいるかわからないアイリアスを補則することさえできない。
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