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セレンさんは見ての通り能天気な上、ハイテンションな人だ。
でも白魔術の腕は確かで、若くしてここ断罪の騎士団総本部・飛空艇アイリアスの医務長を務める程の人だ。
何でそんな優秀な白魔導師であるセレンさんが、違法組織でもある断罪の騎士団に所属しているのか、詳しい事は知らない。
けど、昔からケガの手当て等で何かと世話になってきた。
「泣くのなんてオレの自由じゃないですか」
色々と面倒臭いので適当にはぐらかす。
「シナ君はいつからそんなに冷たい子になったんですか?
昔はもっと素直で良い子だったのに」
ガックリとわざとらしく肩を落とすセレンさん。
「いや、昔から変わってませんて。
そんな事より、どうして医務室にいるんですか?」
話しが大分それたが、やっと本来の話題に戻ってきた。
「だ~か~ら~、私は医務長なんですから、居て当然です!」
何を勘違いしたか、セレンさんに怒った様な、呆れた様な声で言われた。
「セレンさんじゃなくて、何でオレがここにいるか聞いているんすよ」
「え?そっちですか?」
再び不思議そうに首を傾げる。
「って言うか覚えてないんですか?なんで医務室にいるか」
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