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飛空艇アイリアスは総本部とあって結構広い。
全4階構造になっていて、居住区と業務区に別れている。
居住区には食堂がある。
医務室や騎士長室は業務区に含まれる。
アイリアスにはその他の施設も多数存在している。
医務室から騎士長室までは10分くらいかかる距離があるが、早歩きだったため、5分程でついた。
他の部屋よりも豪奢に作られた扉を軽く叩く。
「黒騎士です。失礼します」
本来は敬語を使わなければならない間柄ではないが、外では一応形式として敬語を使う。
他の団員との示しをつけるために。
中に入ると、断罪の騎士団の創始者にして序列第一位“断罪騎士”である女性。
セシリア・ティアライトが机で書類を整理していた。
セシリア姉さんはオレの育ての親でもある。
“姉さん”と言っても、セシ姉は本当の姉じゃない。
本当の姉さんはセシ姉と出逢う前に亡くなった。
セシ姉は、6年前全てを失ったオレを引き取り、生きるための強さを与えてくれた人だ。
薄水色の髪と氷の様に冷たい青い瞳が特徴で、整った顔立ちからは刃の様な鋭さを感じる。
セシ姉は書類から目を離してオレの方を見る。
「もう、体の方は良いのか?」
「大丈夫だから来たんだ」
2人きりの時はタメ口で良い。
「そうか、腕がモゲかけていたとセレンが言っていたから、心配していたんだぞ」
それは初耳だ。
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