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次の日、学校で四時間目が終わったころ。
凜は授業道具を片付け、ちらっと宋の席の方を向くと、宋は数人の女子と話をしていた。宋も女子達も笑っていた。
その様子を少し目に入れたところで、目をそらし、自分の弁当を持って教室から出て行った。
「ん、あれ? 凜がいないし…」
いつも三人で食べているため、成は周りを見渡して凜を探したが見つからなかった。
「おい、宋。凜がいないんだけど」
「え、いないの?」
「ああ…俺ちょっと探してくるわ」
「僕も探すよ」
そう言って二人は教室から出ると、二手にわかれて凜を探しに行った。
いくつか教室を回ったところで、成はどこにも凜がいないことを確かめて、階段を登り始めた。
そして屋上につくと、隅の方に、ベンチに腰かけて景色を眺めている凜を見つけた。成は凜の方へ歩いて行き、凜の前で止まる。
「おい凜。なんでこんなところにいるんだよ?」
凜は驚いた様な顔で成を見上げる。そして気まずそうにそっぽを向く。
「気分転換に屋上で食べたかったんだよ」
「それなら俺達に言えって。心配するんだからよ」
「そうだね…ごめん」
いつもと態度の違う凜を見て、成は首をかしげる。
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