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「いつもと違うな。…宋のことか?」
「…っ!」
動揺した表情を浮かべる凜を少し悲しそうに見る。
「フレンドリーなやつだから、やきもちやいても仕方ないわな」
「ち…違うよ!そんなんじゃなくて…」
「凜は分かりやすいんだよ。とっくに知ってたっての」
何も言えなくなった凜は下を向いた。
「宋君はわかっているのかな?」
「あいつは鈍いから大丈夫だろ。まぁ別に宋に言ったりしないから、安心しろって」
「うん、ありがと」
すると階段をかけあがってくる音がして、宋が現れた。結構走ったのだろう、少し汗をかいている。
「はぁ~良かった、ここにいた。もう、探したんだからね」
「ごめんね、でもありがとう」
一生懸命探してくれた宋を見て、凜は微笑んだ。
「じゃあ戻ろうか。弁当食べないとね」
三人は教室へと戻っていった。戻ってからしばらくは凜が成に怒られていて、宋は微笑みながらも、その様子を複雑な表情で眺めていた。
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