幼なじみ三人

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「え、あ、うん」 どう取ればいいのかわからない言葉を言われて、凜はとまどいの表情を浮かべる。 その様子を見て、宋は歩くスピードを速めた。 「まぁいいや。早く帰ろ」 「うん…ちょっと待って――」 早足で歩いて行く宋を凜は走って追いかける。宋が言った言葉を深く考えるのを止めて。 凜が追いかけて行く様子を後ろから眺めていた成はため息をつく。 「あーあ。素直じゃないんだから二人とも。絶対両想いなのになぁ」 ちょっとだけ二人の様子を眺めて、二人とは反対の方向へ歩き出す。 「せっかく俺が手伝ってやったのに…。用があるふりしてさ。あーあ、俺も凜のこと好きだったのになぁ」 寂しそうに、でもすっきりとした表情で歩く成に、桜の花びらが、励ますように、包み込むように、美しく儚く舞い散っていた。
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