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これは俺、青銅景(セイドウケイ)の回想である……。
――それはそれはとてもとても寒くて、白い雪の降る冬の日でした。
「会社リストラにあった」
父親がお茶を飲みながら軽いノリでサラッととんでもない事を言ったのを聞き逃さなかった。
もう少しで冬休み間近を控えていた日でもあった。
「え?」
その事を高校受験をあと3ヶ月とちょっとに迫られている息子に言う冗談でもない。
「どないする気してんでっか?」
「まぁ焦るな息子。焦ると自分で指摘したミスをおかしたセルみたいになって負けちまうぜ!」
「あんたは少し焦れよ!」
「大丈夫大丈夫。知り合いに大企業の奴が居て雇ってくれるって」
うわ……切り替え早い……。
つーか知り合いに雇ってもらうってプライドなくない?
「つーわけで今から都会に上京するぞ!ついでに母さんは今新しい家を見に行ってるんだ!」
「……マジ?」
こうして慣れ親しんだ家を離れる事が決まった。
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