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リージアン…
そんな顔をするな
そりゃ、突然言われたら驚くが別にお前のせいじゃない
私は落ち着きなく、髪を掻き毟った。
「…わかった」
「ありがとう マリア――
では出発は明日の朝改めて迎えに来よう。
君も女の子だ。いろいろ準備もあるだろうしね」
カイエンは、そう言うと席を立ちリージアンの肩を叩いた。
「君の主人は噂以上に気が強いな。アベルにそっくりだ」
「カイエン少将―――
何故わさわざあなたが……?」
「アベルは私の親友だ…
その親友の娘に逢ってみたかった
リージアン――
いい主人をもったな」
彼の漆黒の瞳は、私の方へ向けられた。
それはまるで、愛娘を見守父親のような目…
「有難うご座います。カイエン少将」
リージアンはカイエンに敬礼すると、にこやかな笑顔で帰る彼を見送りに部屋を後にした。
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