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『廃棄処分にまわすには惜しいな…』
一体のアンドロイドを前に彼は呟いた。
『……』
アンドロイドは動かない…
『小隊長―――
大佐がお呼びです。すぐに司令室へ来るようにと…』
『…わかった。すぐに行く』
彼は深いため息をつくと、動かないアンドロイドを残しその場を後にした。
…………………
『ラルゴ大佐―――
お呼びでしょうか』
『カイエン、
先程回収したアンドロイドの事だが…
上からの命令で廃棄処分は取り止めになった。
なんでも『あれ』は、かなり有名な科学者の手によって造られたモノらしいのだ。数体しか製造されていない為、他国でも喉から手が出る程の代物のようだ』
やはりそうか…
あの戦闘能力の高さは、我が軍のアンドロイドを遥かに勝っている
『そこでだ。今一度マインド・コントロールをし、我が軍の戦力にするようにとの命令が出たのだ』
『しかし大佐―――
マインド・コントロールをするには新たな主人が必要です。我が軍に適材な兵はいません』
マインド・コントロールをするには新たな主人のデーターが必要だ
それもあれだけ優秀なアンドロイドに相応しい人間が…
『お前の部隊に傭兵が独りいただろう…傭兵にしておくには惜しい程なかなかの腕前ではないか。奴なら適任だ』
『‼しかし彼は…』
あいつは駄目だ…
今の精神状態で彼がアンドロイドを受け入れるはずがない
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