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朝目覚めると外は深々と雪が降り、辺りを真っ白に覆いつくしていた。 ふと窓の外を見るとリージアンが歩いている。 こんな中を何処へ行くんだ…? はっきり言って私は寒いのは苦手だ。まして、この寒空の下外へ出ていこうなどごめんだ。 私は直ぐ様、暖かいベットへ再度潜り込んだ。 このまま冬眠したい…💤 ………………… リージアンはあの丘にいた。 アルフリードの木は真っ白な衣裳を着ている。 海からの冷たい北風が唸りと共に彼のコートを舞上げる。 「アベル――― マリアが今日で成人します あの『約束』の日が来てしまいました…」 忘れてた…💧 今日は私の誕生日か… 「…マリアにはあまり関わってほしくはないのです」 海は何も答えてはくれない… リージアンは淋しそうな眼で、水平線の彼方を見つめていた。
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