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『さて、能力は決まったことだし。菫とはサヨナラー……と思ったけどアレを渡すの忘れてた。セリムちゃーん、アレ持ってきてー』
『アレって……アレですか?』
『そうそう、アレと言ったらアレだよ』
『わ……分かりました』
そう言って、瞬間移動のように姿が消えたと思ったら二秒で姿を現した。
帰ってきたセリムちゃんの手には何かが収まっていた。
その何かを自称神が見えないように受け取る。
アレ?アレって何だ?
『菫、お前にこれを授けよーう。ちゃーんちゃちゃーんちゃちゃちゃちゃちゃーん♪』
キテレツなメロディーと共に自称神の開かれた手にのっかっていたのは銀の腕輪。
『……それってお前が作った腕輪じゃねぇか』
この銀の腕輪。
見た目は500円もしないだろう只の腕輪だが、神の力を行使できるようになるという超優れモノ。
ただし、暇な時にしか使えないという制約付きだが。
『転生して色々と苦労するであろう菫に俺からの囁かなプレゼントってことで。しかも制約ちょっと緩めました、てへっ☆』
『……キメェ』
『キメェとは何だ、キメェとは。神からの有り難い恩恵なんだから感謝しろっての』
『でもよ、この腕輪があったら話が変わるかもしんないぜ?』
『そこら辺は百も承知ですよ。ぶっちゃけた所、チートが暴れる禁書世界を見てみたくなったというね』
『…』
……魔術サイドよ……こんな奴を崇拝して大丈夫か?
『ともあれ、伝えることは全部伝えた。後はお前の好きにやれ。でわでわ今度こそサヨーナラー』
瞬間、俺が踏みしめていた床の感触が無くなった。
『はっ?……ハァァァアァァァァァアァァァアァァ!!!?』
俺は暗く長い穴の中へ落ち、そこで意識は途絶えた。
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