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気が付けば、辺り一帯を白いペンキで塗りつぶしたような真っ白で何も存在しない、地平線さえ存在しない空間に俺は一人で立っていた。
『よ』
二人になった。
片手を俺と瓜二つの顔の横まで上げ、いかにも仲の良い友人に対してするような挨拶をしてきたこいつ。
自称神。
俺をとあるの世界に飛ばしやがった張本人。
思い立ったらすぐ実現というチートな能力を持っているまさに神のような奴だが、よく女性に貢がされた挙げ句ポイされるという可哀想な奴である。
『うるさい、あれは無償の愛なんだよ。ただ彼女達は少し照れ屋さんでシャイだから優しく接してくれる俺と顔を合わせるのを照れてるだけなんだよ』
という風に何回騙されてもそれに気付かない実に可哀想な奴である。
『お前な、ずっとそんなだとセリムちゃん泣くぞ?』
『そ、それは……』
たった今、会話に出てきたセリムちゃんというのは自称神の部下で世話女房のような存在。
ちなみにセリムちゃんの身長は140㎝もなく、髪は茶色がかった金髪で長さは腰の位置より下まであり、どこからどうみても幼女で天使のような姿をしている。
でも21歳。
小萌先生と似たような大人の女性だ。
自分的には超ド真ん中のストライクゾーン。
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