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加藤大尉は、作戦室に呼ばれた。米艦隊が沖縄を目指しているとの情報が入った。
空母8隻、戦艦5隻、巡洋艦約20隻、駆逐艦約30隻、輸送艦約50隻、その他の艦船約60隻との、漁船からの情報である。
沖縄上陸作戦の内の一部の艦隊である。
それに対して、加藤大尉以下7名の、赤とんぼ7機である!
機体には、250番。250キロ爆弾を搭載している。
7名は、整列して別れの盃を呑み、再び隊列を組んだ。
大尉は、「気を付け!頭~中!なおれー!」と、号令を掛けた。
司令の訓示が始まった!
「諸官、一機一艦を撃沈せよ!靖国に軍神として集合せよ!私も、後で合流する!かかれっ!」
「頭~中!なおれー!」
解散して、大尉は、また、隊員を集めた。
「ええか、今までの訓練どうりでやれ!
高高度では、レーダーに探知されるから、途中から、海面スレスレで進入する。
赤とんぼは、250番搭載してるから、急上昇は無理だ。
そのまま、敵艦の土手っ腹に突っ込め!
可能であれば、空母の甲板な突っ込め!
最期まで、目を閉じるなよ!
なんか、質問は?」
隊員の一人が「大尉、最期の言葉は、天皇陛下万歳ですか?」
「お前の愛する人の名前でええぞ」
「わかりました!」
「他は?よし、かかれー!」
全員、それぞれの93式練習機「赤とんぼ」に搭乗。
爆弾を抱えた、重い機体を全員、難なく離陸した!
地上では、司令、整備員達が、帽振れをしている。
軍神を乗せた7機の赤とんぼは、段々、小さくなっていった。
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