妹が目覚めた日

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そのあとしばらく母さんと妹は入院し、退院した それから一年たちなんやかんやで物心もついてきた 俺ももうすぐ四歳 あずきも一歳になった あずきはどうなったかというと 俺は一年中妹から離れずずっと世話をやいた 俺もちびのくせに世話をやいた ずっとずっと一緒にいた それで物心つく頃には 「兄ちゃ…きて。」 「はい!」 「遊べ!これで。」 「はい!」 完璧に上下関係成立してしまいました それはその頃から薄々気づいていたが 「…………ふふっ。兄ちゃ…大好き……」 この一言が聞きたくて… ついつい甘やかした でもそのせいで親には無愛想…つか俺以外には無愛想な妹になっていった 俺が幼稚園にいかなきゃいけなくなったりすると 「兄ちゃ…いかないで?」 いつもは絶対泣かないのに泣きだしたりする だから行くときは非常に困る 「兄ちゃんいかなくちゃ…」 「やー」 「どうしたら泣き止む?」 「…おてて!」 「繋いだらいいのか?」 コクコク 激しく首をふるあずき 手を繋ぐと あずきは笑った気がした ……まずい はなれない… こいつは頭といい言葉といい一歳とは思えなくて この頃から将来を思わせた
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