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「えっ?貰わなかった?プレゼント」
「貰うわけないじゃんー。だってあれ、冗談だったでしょ?」
夏休みも終わり、また今日から気が重たい登校日が始まった。
夏休み前よりも、皆の肌が黒くなっているみたい。
夏休みどこに出かけたの?海行った?
そんな定番の問い掛けよりも重要なのは、夏休み中にむかえた小夏の誕生日。
ここは、小夏の席。
あたしの席は香西くんが隣にいるから、聞きにくくてここに。
小夏は知らないだろうけど、あたしは香西くんとプレゼントを一緒に見たのに……。
「香西があたしにプレゼントなんてくれるわけないよ。あ、実咲のくれたやつはちゃんと使ってるよー。ほら、ストラップありがと」
「うん……」
学校に持ってくるのは校則違反のケータイを見せ、小夏が笑う。
香西くんを見ると、終わってない夏休みの宿題を人に写させてもらうのに必死になっている。
……どうしたんだろう。
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